日本では、少子高齢化による労働力不足の影響で、さまざまな分野において、デジタル技術を用いたビジネス変革の重要性が高まっています。インターネットの普及やデジタル技術の進歩によって、急速に変化していく世の中で、製造業においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められています。
そこで今回は、製造業のDX化で押さえるポイントや成功の秘訣について紹介します。
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製造業の現状
日本経済の根幹を支えている大きな業界のひとつである製造業。しかしながら、その日本の製造業が衰退の兆しを見せているといわれています。IMD(国際経営開発研究所)の世界の国ごとの競争力を数値化されている「2021年世界競争力ランキング」調査では、64ヵ国の中で日本は31位。4つの評価指標の順位では、経済状況12位、政府の効率性41位、ビジネスの効率性48位、インフラ22位という結果になっています。これにより世界においての日本のビジネスの効率性が低いということが分かります。
また、少子高齢化による労働力の減少により、2050年には、現在の3分の2にまで減少するといわれてます。
そして、「2025年の崖」と呼ばれる老朽化した基幹業務システムいわゆるレガシーシステムの問題。企業がレガシーシステムを放置してしまうことで、DXが阻害されるだけでなく、国内で大規模な経済的損失が発生する問題で、2025年が既存の基幹システムのサポートが終了し、ソフト・ハード・技術者が失われなるタイミングが迫っています。
製造業のDX化で押さえるポイント
製造業のDX化で押さえるポイントは、DX人材の確保、生産性の向上、ビジネスモデルの変革です。
DX人材の確保
DX化を実行していく過程で、高度なデータの活用やデジタル技術の導入を組み合わせ、組織変革やビジネスの変革をしていける人材が必要となります。しかし、DX推進を担う人材が不足しているのも現状で、DX人材の確保・育成がポイントとなります。
生産性の向上
今までの紙などによるアナログな業務や、データの入力や集計の業務、製造業のノウハウや製造工程などの人的な作業を、デジタルツールやAI、機械などに代替し、デジタル化させることで、生産力の向上やミスの削減、そしてコストも削減させることができます。
デジタル化が進めば、業務の効率化が可能となり、新たな価値の創造を目指せるので、生産性を向上させることがポイントとなります。
ビジネスモデルの変革
デジタル技術の活用によって、事業間での情報共有を活かした新しい価値を顧客に提供したり、生産量の変化などで市場やニーズにあわせた生産ラインに組み替えるといった柔軟に対応できる生産体制の構築など、新たなビジネスモデルへの変革がポイントとなります。
製造業のDX化を成功させる秘訣とは
製造業のDX化には、社内の業務プロセスを洗い出すことから始めてみてください。データの入力作業や集計業務など、デジタル化できるところがないか検討してみましょう。無駄な業務や、ミスなどのトラブルが軽減され、業務フローが最適化されます。
つぎに、製品の提供だけにとどまらず、製品を使ったサービスまで一貫して行い、市場やニーズにあわせた情報を提供していくサービス化を進めてみてください。サービス化を行うためには、まずは自社サイトや問い合わせ内容を見直し、顧客ニーズを収集し、情報を精査していくことが必要です。
さらに、デジタル化したデータと市場やニーズの情報を企業内で共有できるプラットフォーム化を進めてみてください。共有できる仕組みをつくることで、売上や利益、製造にかかる時間のデータや、クレーム、顧客ニーズなどの受発注、生産管理、生産、流通・販売、アフターサービスに至るあらゆる情報やデータを集約して分析することが可能となり、新たなサービスや付加価値を生み出し、ビジネスモデルの変革を企業一体となり高めていくことができます。
そして、システムのプラットフォーム化したデータを上手く活用し、効率、生産性の高いスマートファクトリー化を進めてみてください。データを活用した効率的な生産によって、品質の向上、コスト削減につながり、顧客満足度の高い製品を提供することに繋がっていきます。
まとめ
今回は「製造業のDX化で押さえるポイントや成功の秘訣」について紹介しました。
厳しい製造業の現状のなか、急速な環境の変化や、グローバル企業の競争に対応するためには、限られた人材や資金を有効活用し、製造業の価値を高める製品やサービスを生み出していくことが重要となります。それを実行していくうえで、製造業のDX化が急務であるということです。
ぜひ参考にしてみてください。