仕入れの重要性を知っていますか?特に、仕入品を加工し販売する製造業にとっては、仕入れは膨大なデータ量をともなう業務です。リスクを最小化し利益を最大化する目的で、導入されているのがシステム化です。仕入先管理はシステム化によって、情報を利用しやすく戦略的な対応が可能となります。すなわち、リスクを最小化する仕入先はどこか、発注はいつ実施するかの判断の裏付けになり、そのことで利益も最大化できるのです。
この記事では、製造業で仕入先管理をシステム化する際の注意点とおすすめの方法をご紹介します。
仕入れとは
製造業にとって、仕入とは、原材料や部品、外注品を入手する行為のことです。輸送費も仕入れの一部となります。似たような言葉に、経費がありますが、仕入は直接売り上げに結び付く出費、経費は事業を行う上で必要になってくる出費であり、明確に違います。
製造業の仕入れは多層的で複雑
製造業の場合、仕入品が多数あることが多く、商社など中間業者が介在することもあります。このような場合、仕入先の管理といっても、中間業者と実際の製造業者の管理が必要になり、実際には何層にもなっているときもあります。また、納入される仕入品を製造するのに仕入必要な場合も多く、多層的な構造になっています。
製造品目数や規模によって違いますが、製品によって仕入品目は何百と必要です。仕入品目それぞれに、業者が存在します。また、BCPの観点からいえば、1品目に関して2つ以上の業者があるほうが、リスクが低いため、納入業者は品目の数倍に達する場合もあります。
製造業の仕入はコストを左右する
仕入品は最終製品のもととなります。コストは最終製品に反映されますし、高品質の仕入れをおこなわなければ、品質は保証できません。
外国産の仕入品であれば、監査は多額の交通費が必要になります。
また、仕入によって、製造業の仕組みも変わってきます。納入形態によっては、ローリー車での納入設備が必要ですし、発注から納入までの期間が長ければ、安全在庫管理のために倉庫が必要になるかもしれません。
製造業では仕入れはコストを左右する項目です。ですから、仕入先管理をシステム化すれば、リスクを最小化し利益を最大化でき、戦略的な対応が可能となります。
製造業の仕入には、細かい取り決めが必須
各仕入品目の仕様の管理も重要です。ニーズにあったものを納入してもらおうと思えば、納入業者と仕様のすり合わせも必要になってきます。
例えば、包装材料を複数の業者から仕入れるとします。同じ色でも印刷会社によって独自のノウハウがあり、同じ塗料で印刷してもらうことは不可能です。よく似たトーンのよく似た色で印刷してもらうためには、仕入先を管理する必要があります。
他にも納入方法、包装、荷詰み、衛生管理など、すり合わせる項目は多数あり、仕入先の管理には、細かい取り決めが必要になってきます。
企業は、ひとつの国のようなものです。それぞれ使用される言語の意味も違うときさえあり、「あたりまえ」が通じません。仕入先管理は、自社にあわせた納品を実施してもらうためには必須の業務です。
仕入先管理に必要な項目
では仕入先管理には、どんな項目が必要でしょうか?ここでは一般的な項目を集めました。仕入先管理に必要な項目は、製造品によっても製造項目によっても変化します。新規に仕入先管理を実施する場合には、仕入から製造品の完成まで、リスク予知をすることをおすすめします。
経験上、それでも最初のうちは新規仕入にはトラブルがともなうものです。
また、これらの項目はひとつのデータにまとめてシステム化すれば便利に使えます。どの仕入についても同じ書式を使用しましょう。そうすれば「抜けや漏れ」が少なくなり、管理しやすくなります。
納入品情報
納入品情報は、仕入先管理の基本となるものです。なにに必要で仕入るのか、製造にあたってどんな仕様が必要なのかを洗い出し、まとめましょう。
仕様 グレード
納入品の仕様は、図面を使用する場合もありますし、日本薬局方品といったように公的なグレードの保証もあります。
医薬品製造の場合、医薬品のグレードとして日本薬局方品が求められます。しかし、適当なものがない場合には、自社で追加試験を実施し医薬品製造のグレードを保証する必要も出てきます。その場合、追加試験のための試薬や機器、人員も確保しなければなりませんし、
いたずら防止対策についても決めておきましょう。
見本品
包装材料など、写真だけで内容が十分に伝わらない場合は、管理のため見本品を求めます。本番品の仕入の際には、見本品と比べて仕入品を確認します。
見本品は仕入品の仕様が変更になるときには、更新されます。また、退色などのリスクもあるため、定期的に良好な仕入品と差し替える必要もあります。
包装容器・入れ目
仕入品は、どんな形状をしているでしょうか?それによって包装容器も変化します。ダンボールに入れてくるなら、裸のまま入れるのか、クッション材が入るのか、ビニールを使うなら何重にするのかも必要でしょう。
もし自社の製造に向かない包装容器なら、仕入先に交渉したり、自社で入れ替えしたりが必要でしょうし、入れ替えの設備も必要になりす。また、1容器にどれぐらい入っているかという入れ目、最小納入単位についても確認が必要です。
納入方法
仕入品の納入方法についても確認が必要です。パレットに積んで納入されるのか、ローリー車に入れて納入されるのかによって、自社で必要な設備も違います。
パレット納入についても、パレットの大きさ、材質、積み付け方法やパレットにビニールをかぶせるのかどうか、紐は何本どう掛けるのかも確認しておかなければ、入庫の際に余計な手間がかかるでしょう。
特にパレットの大きさには、注意が必要です。パレットは素材も大きさも多種多様で、自動搬送を使用するところならパレット積み替えが発生してしまいます。
輸送業者
輸送業者はどこを使用するのか、専用トラックなのか、混載便を使うのか、場合によっては運転手の名前なども確認する必要があるかもしれません。
納入可能時間も大切な要件です。朝一番の納入が可能なのか、それとも午後の納入しか対応できないのかも、重要な項目です。
また、どの時点で受け渡され、自社のものになるのかも決めておきましょう。トラックから降ろすのは自社なのか、輸送業者なのかで作業は大きく違います。
最近では、輸送時にもの改ざん措置が決められます。封緘や開封防止シールなどが使われることが多いようです。
下請けの有無
仕入先メーカーにも仕入先があります。下請けの管理は仕入先メーカーの責任ですが念のため、何をどこまで加工したものを仕入れているのかは把握しておくと、不良が発生した場合にも対応しやすいでしょう。
コスト
原価、輸送費、その他の経費は重要な項目です。コストのデータのセキュリティには十分注意を払う必要があります。
時間的要因
発注してから納入までの期間を知らなければ、生産計画を立てられません。
また、品質保証期限がどれくらいあるのかによっても発注内容が変わるでしょう。出荷されて何時間以内に使い切る必要がある材料も存在します。その場合は生産計画と仕入れの時間を詳細に決める必要があります。
場所的要因
製造場所
仕入品の製造所の住所はもちろん、製造工程についても、できれば提出を求めます。特に原材料は、不良があれば、自社でも原因を追究できるように、工程を把握すべきです。
書面だけでなく、実地に確認する機会も定期的に設ける必要もあります。
同じ会社からの仕入れであっても、製造所が違えば、仕入先管理は場合分けをして実施します。
保管条件
仕入品の保管条件によっては、温湿度管理が可能な倉庫が必要です。輸送手段についても特別な対応が必要です。
連絡先
仕入品に、なにかあった時の連絡先も必要です。納入開始時のほか、担当の交代についての情報も、連絡をうけた際には必ず更新します。
連絡先は、営業窓口だけでなく品質担当の場合もありますので職掌も確認しておきましょう。
仕入先情報
仕入先の免許・許諾について把握していなければ、知らないうちに法律違反になることもあります。免許の場合、更新忘れという場合もありますので、注意しましょう。
また、同一仕入先から何を購入しているかも提出を受けておけば、仕入先に何かあった場合のBCPに役立ちます。
情報の入手
これらの情報は、取引先の候補にあがったときに相手先に求め、実納入になる前にすり合わせを行います。
また、定期的に納入情報は見直しが必要です。入先をいくつかのグループにわけ、定期的に監査や情報の更新を実施します。
もちろん問題が発生したときにも、是正措置を確認し予防措置を講じた旨を記録に残す必要があります。
納入先管理はエクセルかアプリでシステム化する企業が多い
今まで説明してきたように、納入先管理には細かな項目が必要です。また仕入れ品ごとや仕入れ先ごとなどソートできると、急ぎやトラブルにも対応でき便利に使えます。
この条件を満たす方法として、実施されているのが仕入品調査書を提出してもらう方法です。まず定型の書式を作成して、その書式に沿って仕入先業者記入してもらいます。その後は、エクセルに入力する方法とクラウド型アプリを利用する方法に二分されているようです。
ふたつの方法のうちでは、セキュリティ、データの単一性などを考慮すれば、アプリが断然おすすめです。
おすすめ仕入先管理システム
製造業の工場で仕入先管理アプリを使う場合におすすめしたいのが、株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジーの提供している製造業専門クラウド型生産・販売管理システムの「鉄人くん」です。「鉄人くん」は、製造業専門のシステムとして発売されていますが、その名称にたがうことなく製造業の膨大な仕入れ先管理でも使いやすく設計されています。仕入先管理は、販売管理システムに含まれ、受注管理システム、在庫管理システム、請求書管理、履歴管理、マスター管理、売上管理とともに実施できます。
また、生産管理とも連携していますので、生産計画や生産状況がリアルタイムで確認でき、発注の際にも便利でおすすめです。
まとめ
製造業の仕入れ先管理について、管理項目を中心に紹介してきました。仕入先管理の項目は多岐にわたり、そのデータも製造業務すべてにかかわります。煩雑な項目をシステム化して管理し、運用すれば、リスクを最小化し利益を最大化できるのです。
仕入先管理をシステム化するときの方法として、エクセルとアプリがあげられます。もし、今からシステム化するなら、クラウド型アプリがおすすめです。
製造業専門のクラウド型生産管理・在庫管理システム「鉄人くん」なら、製造業にあった仕入先管理が組み込まれています。仕入先管理をシステム化する際には、ぜひ検討してみてください。
また、トライアルキャンペーンも実施していますので、システムの導入を検討してみたいとお考えの方は、こちらからお気軽にお問合せ・ご相談ください。