ロック加工の種類とロック材

材料・素材

 これでわかる!「ねじの基礎知識」ロック加工の種類とロック材

モノとモノを締結するのに使われるねじやボルトは、振動や温度変化などで、ゆるみが生じることがあります。

製品の品質や安全性が高まる中、ゆるみを防止し、締結を強化することが必要不可欠になっています。

何らかの原因によって、ゆるみが発生してしまう可能性がある場合に、事前にねじにゆるみ止めのコーティングを加工することで、ゆるみを防止させる方法があります。

今回は、主に自動車などの部品、精密機器、建築や家具、気体や液体を扱うものなどでも使用されている「ロック加工」について紹介します。

ロック加工とは

事前にねじやボルトのねじ部にゆるみ止めのコーティング加工を施して、ねじの締結時にロック(固定)することで、ねじ自体に、振動などによるねじの自然脱落を防ぐための機能を持たせる加工のことで、「プリコート」または「プレコート」とよばれています。

プリコートの種類

プリコートには、一般的に大きく分けて、半永久型 、繰り返し使用型 、シール型の3種類あります。

一回きりの半永久型ロック加工

半永久型ロック加工には、ロックタイト・メック・ドライロックなどの化学反応利用型で、分かりやすくいうと、接着剤で固めて固定するプリコート加工です。

空気が遮断すると固まる嫌気性接着剤が加工部分のマイクロカプセルに入っている事で、締結時にねじ部でカプセルが潰れて固着剤となり、ゆるみ止めの効果を発揮します。雄ねじと雌ねじの合わせ部分で固まるため、ねじ同士が密着するシール効果も生まれます。
ねじの取り外すことがあるかないかで、

  • 「高強度」外さない
  • 「中強度」取り外しすることもある
  • 「低強度」取り外しする

など接着強度を選択することができます。また、この接着強度は、メーカーごとに違ってはいますが、分かりやすいように色分けされてされています。

繰り返し使用型

繰り返し使用型ロック加工には、エフロック・スリーロック・ナイロックなどの未反応樹脂利用型で、一度留めて終わりではなく何度でも繰り返し利用できるタイプのプリコート加工です。仕組みとしてはナイロンナットと同じ要領です。

ねじ部に特殊ナイロン樹脂を融着させておく事で、特殊ナイロンの強力な弾性反発力により摩擦保持力を発生させ、この摩擦の力でゆるみ止めの効果が発揮されます。

完全に固定させてしまうのではないので、半永久型に比べると弱くなりますが、後からの調整や締め直し、増し締めなどが可能となり、特殊ナイロン樹脂を融着させておくことで、隙間がなくなり、シール効果もあります。

漏れ防止のシール型

漏れ防止のシール型ロック加工には、ドライシール・シーロックなどの未反応樹脂利用型で、ネジ部に樹脂を融着させておく事で、シールテープの代わりになる漏れ防止のシール効果がメインのプリコート加工です。

ネジを固定して緩みにくくするだけでなく、ねじ込むことで樹脂が成形され、密着した状態になり、ねじにシール効果を持たせ、隙間から気体や液体が漏れるのを防ぎます。

耐水、耐油、耐薬品性があるため、ガス、水道、油、空気などの液体や気体を扱うところにも使用することができます。

ロック材の種類

普段、日常で使われている接着剤は、好気性で、空気に触れると固まりますが、主に現場で使われているロック剤は、空気が遮断されることで固まります。現場で使われているロック剤は、嫌気性接着剤、溶剤系接着剤の2種類あります。

嫌気性接着剤

スリーボンド1300シリーズなどの嫌気性接着剤は、雄ねじと雌ねじの合わせ部分の隙間に入り、空気が遮断されると固まります。使用される大半がこのロック剤になります。

溶剤系接着剤

スリーボンド1400シリーズなどの溶剤系接着剤は、合成樹脂を主成分としたロック剤で、ねじ部に塗布し乾燥させることで弾性をおび、振動や衝撃に耐性ができ、シール効果もあります。締め付け時の1~2割増しの力で回転させることで、簡易に取り外すことができます。あらゆるねじで使用できますが、M6以下の比較的小さな取り外しの多いねじに適しています。

まとめ

今回は「ロック加工の種類とロック材」について紹介しました。

ロック加工は、あらかじめねじにロック剤を加工することで、ねじを締結するだけで、ねじが緩まなくなるうえ、ねじ自体にロック剤を塗布するため、締結したい部材を気にする必要がなく、現場での作業効率もよくなります。

空気が遮断されることで固まるものや、耐水性に優れているものなど、さまざまな加工方法があるので、ねじの使用環境や使いやすさ、取り外しの有無など用途に合わせて選択してくださいね。

参考にしてみてください。

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